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- 成人矯正編（インタビュー）
Interview 01「永久歯を抜かない矯正」を重視されているのはなぜですか？
永久歯を抜いて矯正治療を行うと、かえって噛み合わせが悪化したり、顎が歪んだりする可能性があります。噛み合わせや顎の歪みは、口腔周辺の筋肉の緊張を招き、全身の不調にもつながります。健康な歯を失うことで、入れ歯になるリスクが高まることも見逃せません。
実際に私自身、かつて安易に永久歯を抜かれた結果、いまだに歯を食いしばる癖が治らず、苦労しています。また、新米歯科医師として働く中で、ご自身の歯がないゆえに苦しむ患者様を、たくさん目にしてきました。
永久歯を抜けば、簡単に歯を移動させる場所が確保でき、歯並びを早く整えられます。しかし、それで将来にわたって心身を損なうようでは、何の意味もありません。患者様にも永久歯の重要性をご理解いただき、ご自身のためになる矯正治療をお選びいただきたいと考えています。
Interview 02矯正治療はどれくらいの期間で終わりますか？
矯正治療は、単に歯並びを整えるものではありません。患者様の心身の健康を考え、噛み合わせや顎の機能にも目を向けながら、歯並びを含む口腔全体を整えていくものです。口腔の状態や治療による経過は、患者様によってそれぞれ異なりますので、矯正治療も患者様一人ひとりに合わせたオリジナルのものでなければいけません。
当院では、精密検査で正確な状態や経過を把握し、それに応じた矯正治療を行っています。内容が患者様によって異なるのはもちろん、経過によって治療が変わることも珍しくありません。内容が異なる以上、全員にご案内できるような治療期間の目安はなく、たとえ同じ治療であっても、経過によって治療期間は変化します。
経過とそれに応じた治療内容については、その都度きちんとご説明いたします。ですから、長期間にわたるお付き合いをお願いすることになったとしても、ぜひ最後まできちんと治療を行わせてください。矯正の専門医として、患者様に後悔させない結果をご提供いたします。
Interview 03患者様と接するうえで、気をつけていることはありますか？
患者様の意思を尊重し、主体性を持っていただけるよう心がけています。矯正治療は医師ではなく、患者様主体で行うべきものと考えているため、当院では強引な勧誘や治療は行いません。また「治療したほうがいい」ということは言いません。必要なことを噛み砕いてお伝えしたうえで、治療に入るかどうかは完全に患者様にお任せしています。
また当院での治療は、患者様に明確な目的がなければ進んでいきません。ご自身の大切な治療を安易に医療者任せにせず、ぜひ主体的に挑戦してみてください。
私は、患者様のことをお客様だとは思っていません。医師と患者様はそれぞれ同じ立場であり、人として対等なお付き合いをしたいと願っています。医師は患者様の意思を尊重し、患者様は専門家として医師を尊重する、そのような関係を築いていければうれしいです。
Interview 04どのような患者様にご来院いただきたいとお考えですか？
当院は、永久歯を抜かない、口腔機能全体を整える矯正治療を提供しています。見た目のみを手早く整えたい方は、ご満足いただけない可能性が高いでしょう。永久歯を残したい方は、他院で難しいと言われた方も含め、気兼ねなくご相談いただければと思います。
また、当院は患者様の意思を尊重し、主体的に治療に取り組んでいただきたいと考えています。矯正治療に明確な目的をお持ちの方、人と人としてお互いを尊重し合える方などは、相性が良いのではないでしょうか。